キノコの女王、キヌガサタケ(スッポンタケ科)に集う動物は様々である。いちばん多いのがカサの粘液(胞子)を舐めにくるハエ類である。キヌガサタケはキンバエやショウショウバエ等を粘液の臭いで誘引、粘液を食べさせ胞子を拡散している。シラビソ林のマクキヌガサタケにはカサないものがある。これは他の哺乳動物が粘液のついたカサを一口で食したものと思われるがなんの動物かはわからない。
キヌガサタケのマント(菌網)は古くなるんと魚の腐った臭いがしてくる。動物の死骸を好んで食すシデムシ類が集まりレースを食している。ベッコウヒラタシデムシはキヌガサタケ、クロボシヒラタシデムシはマクキヌガサタケで観察している。糞虫のセンチコガネはキヌガサタケなら場所を選ばず食している。カタツムリは展開始めたレースの裾をかじっていたことがあった。柄の中の空洞にはハサミムシやムカデが入っていることが多い。白いレースや柄はコオロギ等も食している。タマゴの中のゼラチン質はエンマムシが好んで食している。今までに観察したものを記したが、これらはほんの一部の虫たちにすぎない。
(キヌガサタケのほとんどの柄にはツバがありますので何色か観察して見てください)
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