旧坂東家住宅見沼くらしっく館で農作物の豊穣と無病息災を願い、さいたま市見沼区片柳地区の小正月行事が実践公開されました。
河田捷一講師の説明で、まゆだま飾り、小豆粥、作花（削り花）、成木責め等が行われました。１．まゆだま飾り
上新粉（米粉）を熱湯でこねた物を手のひらで団子（まゆだま）にし、この団子を大釜蒸篭（せいろ）で蒸かし出来上がりです。ここでは出来た団子を木肌の赤いミズキの枝先にさし神様に供えました。荒神様に36個、歳神様に12個、他の神様には9個の紅白まゆだまをつけ飾りました。
○上新粉２kgを１kgずつ、二人でこね、各自約120個、計紅白２４０個の団子（まゆだま）ができました。
○上新粉のこねは硬めに、蒸すと軟らかくなります。蒸しは時間は約10分です。
○上新粉１ｋｇに熱湯９００ｇでこねました。
２．小豆粥（あずきがゆ）
囲炉裏火で炊いた塩味小豆粥です。粥のぬるぬるは田んぼを表し、小豆は赤く目出度く、稲作の豊作を願います。
小正月の行事終了後、見学者に鉄鍋いっぱいの小豆粥が振舞われ邪気を祓いました。
３．作花（削り花）
削り花は神棚用と堆肥用の二種類を作りました。
神棚用はマダケを長さ３０�僉�幅１�僂棒擇蝓�竹先を二股にしてニワトコで作った削り花とつぼみを差し、神棚によって１対（いっつい）または、１本供えました。
堆肥用は長さ２ｍのマダケを先端から中程まで１５に裂き、ニワトコで作った削り花を３本、つぼみを１２本さしました。これを堆肥場の中ほどに立てました。
昔の五穀豊穣は神頼み、堆肥頼みの祈願だったのでしょう。
４．成木責め
ニワトコで作った木刀の「祝い棒」は成木責めで果樹を叩き豊作予祝を願います。
ここでは庭のカキノキ古木を呪文を唱えながら叩きました。
♪なるかなんねいか、なんねと鉈でぶっ切るぞ！
♪カキノキを切り申す。なるかならぬか、ならずは切り申す！
♪なるか、ならねえか、ならぬと八方こうずくぞ！ なると申します。
祝い棒は地方によって「嫁叩き棒」「孕め棒」とも言われ、子どもたちが通りがかりの女性の尻を叩くと子宝に恵まれると言われています。
祝い棒は、クルミ（クルミ科クルミ属）、ミズキ（ミズキ科ミズキ属）、ニワトコ（スイカズラ科ニワトコ属）、ヤナギ（ヤナギ科ヤナギ属）の材で作りましたので、好みの祝い棒、孕め棒でお試しください。
（さいたま市見沼区片柳）
