見沼田んぼ周辺の藁塚「フナノ」について 藁は米作りの副産物ですが、日本では古くから生活の様々なところで広く活用されてきました。ぞうりやナワ、わら靴、もっこなどのいろいろな生活用品や農具、畳の材料、家畜の飼料や田畑の肥料、かまどの燃料など捨てることなく利用され、世界に類を見ない「藁の文化」を形成してきました。
稲を脱穀した後、藁を保存するため作られた藁塚は、全国各地でその形や呼び名も様々で、例えばボッチ、ニホ、コヅミ、ノウ、ワラグロ等と呼ばれていたそうです。
見沼田んぼ周辺では昭和30年代初め頃まで「フナノ」と呼ばれた藁塚が作られていて、収穫した野菜を入れる「てご」と呼ばれる籠や筵を作ったり、主には燃料や家畜のえさ、肥料として使用されていたということです。
現在は農作業の機械化や生活様式の変化などで「藁の文化」が、そして藁塚も消えつつあります。プラスチック製品があふれ使い捨て、大量消費社会と言われる現代を今一度見つめ直す一つとして「藁の文化」を考え、更に稲作農業の大切さを知る機会にしたいと平成20年、50年ぶりに「フナノ」を再現、今回で4回目となりました。
このフナノは約9反余（約9，000�屐砲慮�沼田んぼの藁を約９トン使用しています。
以前「フナノをやらない農家には嫁をやるな」とも言われたとか、農家の格を示す一つでもあったようです。
「フナノ」作りを経験した農家は今では殆どいなくなり、その技術を継承していくことが風前の灯といわれています。その数少ない貴重なフナノ作り経験者の指導と協力を得てボランティア市民の手で作成しました。
平成24年10月23日
「フナノ」の規模：縦6.4ｍ 横2.5ｍ 高さ約3.3ｍ
実施団体 ＮＰＯ法人見沼ファーム21
連絡先 048-686-2851 （島田）
（さいたま市見沼区加田屋）
